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Channel: 浅き夢見し…
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進歩・・・

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先日から話題の『US-2』ですが、その前身は対潜哨戒飛行艇です。


海難救助でも同行してた『P-3C』と、その前身の『P-2J』は対潜哨戒機。




『PS-1』⇒『US-1』⇒『US-1A』を経た後更に発展し今日の『US-2』に。


対潜哨戒機と密接に絡み、その歴史を共に歩んできた飛行艇と云えますね。




『PS-1』誕生前の対潜哨戒機は米軍払い下げの『P2V7』があり、それが寿命を迎える事も有り開発。

この時『PS-1』の誕生には様々な困難が有った模様、そこで『P2V7』をベースに誕生した『P-2J』。



『P2V7』が双発機として構成され、『R-3350』と云うレシプロエンジンで駆動していたものを換装。

『PS-1』用にライセンス生産されてた『T-64』ガスタービンエンジンを流用し『P-2J』に採用した。



『P2V7』ではガソリンを燃料として駆動する、『J-34』補助ジェットエンジン2基も備えていたが。

同様にジェット燃料で駆動する、『J-3』補助ジェットエンジン2基に変更し『P-2J』に採用した。



『P2V7』はレシプロの『R-3350』(空冷式複列星形18気筒)3,750馬力で4翔のプロペラを回した。

『P-2J』では『T-64』ターボプロップエンジン3,060馬力で3翔のプロペラを回す様に変更された。



補助ジェットエンジンも『J-34』から『T-1B』用の『J-3』2基に変更する事でジェット燃料駆動。

主機が『R-3350』から『T-64』に変更される事で、従来より非力になった『P-2J』はかなり繊細だ。



離着陸や上昇時並びに全速飛行等では推力不足、『J-3』の補助無しでは機動に支障が発生してた。

それに較べれば同様のターボプロップ4基構成の『PS-1』は余裕、BLC用に『T-58』2基も備える。



その後『P-2J』の後継機は『P-3C』、20t増加したその重量ゆえ滑走路の嵩上げが必要となった。

こちらは『T-56』ターボプロップエンジンが4基、4,910馬力で4翔のプロペラを回す構成となる。



これと近いのが航空自衛隊の『C-130H』、『T-56』ターボプロップエンジン4基で4翔のプロペラ。

低バイパス比のターボファン双発で、比較的小さな『C-1』輸送機に最大積載量と航続距離で優る。



『P-3C』の老朽化?に伴い国内生産に踏み切ったのが『P-1』、こちらは4発ジェット機となった。

『P-3C』と『C-130H』は比較的近い機体だったが、『P-1』は『C-1』と『C-135』の中間的な機体。



『C-1』輸送機と同等の推力を有する『F-7』ターボファン、8.2の高バイパス比で省燃費・低騒音。

『C-1』輸送機は双発だったが『P-1』では4発、『P-3C』より更に大型化し重量も増加したが・・・



『C-1』輸送機の約2倍の重量に対し推力も2倍、最高速度や巡航速度に上昇力と実用上昇限度も。

総重量は『C-135』の約64%で推力は約75%、最高速度や巡航速度に航続距離もほぼ同等以上。



実用上昇限度に至っては10%以上も上回り、『C-2』のベースとして充分な性能を有しているが?

実際の『C-2』では『C-1』を大型化して設計思想を踏襲、『C-135』クラスの双発機が採用された。



これに使用するエンジンは海外派遣等を想定し、GEのCF6-80C2型エンジン(推力:約27.9t)を採用。

これは海外でも広く普及しており、渡航先での整備拠点もあり、部品調達の容易なためとみられる。



これは当時既に航空自衛隊に導入されていた『747-400』(政府専用機)と同じもので調達が容易。

『E-767』、『KC-767J』も同一のエンジンを採用しており、整備面で都合が良い事から決定した?

日本国内の航空会社もボーイング社製の機体と共に、同系統のエンジンを600基以上採用している。



『C-1』と比較し全長1.51倍、全幅1.45倍、全高1.42倍、空虚重量2.5倍、最大積載量3.75倍と大型。

最大速度は1.2倍、エンジン合計推力は約4.24倍、最大離陸重量141tと『C-1』の38.7tの3.6倍以上。



また航続距離は、『C-1』が有効積載量2.6t搭載時に約1700km、『C-130H』は5t搭載時に約4,000km。

これに対し『C-2』は12t搭載時に約6,500kmで、搭載量が4.6倍以上での航続距離は3.8倍以上です。



かなり高性能な機体である『C-2』だが、『P-1』の設計思想は大きく異なる。


基本は陸地の上空を飛行する『C-2』に対し、『P-1』が飛行するのは洋上。




エンジン1基が壊れても、近隣の滑走路に安全に着陸出来れば良い『C-2』。


これに対し『P-1』や『US-2』は洋上での作戦の継続と完遂を要求される。




先日の救出劇でも波高3mを超える洋上への強硬着水でエンジン1基を破損。


この違いが双発の『C-2』、4発の『P-1』や『US-2』となります♪


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